脱水ひまし油/天然油/天然樹脂/トール油
塗料用語において、”c)塗膜形成要素及びその性質”に分類されている用語のうち、『脱水ひまし油』、『天然油』、『天然樹脂』、『トール油』のJIS規格における定義その他について。
塗料・塗膜・顔料・溶剤などの種類や性質、塗装の塗り方、素地調整、乾燥方法など、塗料工業において用いられる主な用語として、塗料用語(JIS K 5500)において、”c)塗膜形成要素及びその性質”に分類されている塗料用語には、以下の、『脱水ひまし油』、『天然油』、『天然樹脂』、『トール油』などの用語が定義されています。
塗料用語(JIS K 5500)
⇒【 c)塗膜形成要素及びその性質 】
分類: 塗料用語 > c)塗膜形成要素及びその性質
番号: 2033
用語: 脱水ひまし油
定義:
ひまし油を化学的に脱水して作った乾性油。
脱水反応で共役二重結合ができ、きり油(※1)の代用になる。
対応英語(参考):
dehydrated castor oil
分類: 塗料用語 > c)塗膜形成要素及びその性質
番号: 2034
用語: 天然油
定義:
天然物から採取した脂肪油。
主成分は脂肪酸のグリセリンエステル。
乾燥性の程度によって、乾性油・半乾性油・不乾性油に分ける。
乾燥性の目安として、よう素価が用いられる。
よう素価130以上を乾性油、130〜100を半乾性油、100以下を不乾性油ということがあるが、明確な区分の定義はない。
(ASTM では、区分の定義はないとしている。)
対応英語(参考):
natural oil
分類: 塗料用語 > c)塗膜形成要素及びその性質
番号: 2035
用語: 天然樹脂
定義:
樹木又は虫類から分泌されてできた、主に塊状のもの、又はこれらが地中に埋れて半化石状態になったものの総称。
ロジン、セラック、ダンマル、コーパル、こはくなど。
対応英語(参考):
natural resin
分類: 塗料用語 > c)塗膜形成要素及びその性質
番号: 2036
用語: トール油
定義:
亜硫酸パルプの廃液から採った油状の物質。
脂肪酸エステルと樹脂酸エステルとを含む。
塗料用には、加工・分解によって脂肪酸を主成分とした製品が主に使用される。
対応英語(参考):
tall oil
(※1)
きり油とは、きりの種子から採った乾性油のことです。
共役二重結合をもつエレオステアリン酸のグリセリドを多量に含み、重合しやすく、乾燥が速く、シナきり油と日本きり油が知られています。